030141keigo
沖縄振興特別措置法と国際通りの活性化
2001年の9月11日のアメリカ同時テロ以降、沖縄経済の柱であった観光業は危機的状況にあった。その後、さまざまな取り組みにより少しずつ沖縄観光は力を取り戻してきている。しかし最近の新たな郊外地域の開発によりこれまで沖縄観光の中心的存在にあった国際通りの衰退化が叫ばれてきている。沖縄振興特別措置法は沖縄にプラスになっているのは確かである。しかし、この法律は沖縄にとってアメの部分だけを与えるものなのだろうか?
1、沖縄振興特別措置法
沖縄振興特別措置法は、沖縄の特殊事情を踏まえ、沖縄の自立的発展と豊かな住民生活を実現するために新たに制定された法律。この法律の下で、今後10年間の沖縄の振興の基本となる沖縄振興計画が策定され、これに基づくさまざまな事業を推進するなど特別な措置が講じられることになる。
(沖縄振興特別法のあらましより http://www8.cao.go.jp/okinawa/3/31.html)
(1)沖縄型特別免税店制度
沖縄地区税関長の承認を受けた業者から、沖縄県から沖縄県以外の地域へ出る旅客を対象にして特定の販売施設で購入した商品を携帯して持ち出す場合、その商品(輸入商品)について、一人20万円を限度として関税が免除されるという制度。
現在は沖縄デーエフエス(株)が許可を受けており、このような免税店は日本国内で那覇空港にあるのが国内初であった。
(沖縄地区税関ホームページより http://www.okinawa-customs.go.jp/4_okiseido/okiseido.htm)
DFSギャラリア・沖縄
今月の15日に国内初の空港外免税店としてDFS沖縄が那覇市のおもろまちに開業した。これは世界各地で免税店を展開するDFSグループがハワイに次ぐ規模として、売り場面積約1万平方メートルの大型店舗を展開したものである。
(2)自由貿易地域制度
この制度は唯一沖縄県が指定された地域であり、企業の立地を促進するとともに貿易を振興することを目的に関税法上の保税地域制度と立地企業に対する税制・金融上の優遇措置を組み合せた制度である。貿易地域は那覇に1箇所と特別自由貿易地域として中城湾港新港地区の1箇所である。自由貿易地域のみで認められている制度として関税の選択課税制度がある。これは地域内で加工・製造されたものに関してこれを輸入する際に輸入車が製品または原料のいずれか低いほうの関税率を選択できるというものである。
(沖縄地区税関ホームページより http://www.okinawa-customs.go.jp/4_okiseido/okiseido.htm)
2、那覇新都心地区(那覇市おもろまち)
那覇新都心地区は、元アメリカ軍の軍用地であった地域が返還され、そこを開発した地域である。現在ここにはサンエーメインプレイスという映画館を併合した大規模商業施設を始め、おおくのショッピング施設が存在している。またゆいレール(モノレール)やDFS沖縄の出店により一段と活性化している地域。那覇市内にあり空港へのアクセスもよいことから観光客も多く訪れる。また、郊外にありどの施設も巨大な駐車スペースをもっていることもあって、車社会の沖縄において集客力のある地域。
3、国際通りの現状
国際通りは奇跡の1マイルと呼ばれ、沖縄の観光の顔として長い間多くの観光客に愛されてきた。那覇の中心にあり沖縄県庁や那覇市役所、那覇空港など主要な施設にもアクセスができ、付近には沖映通りや平和通りなどの商店街もある中心市街地である。また、この地域には那覇市の小売業商店の36%が集中している。最近は著しく衰退しており年間販売高も1979年には60%を占めていたが今では34%まで減少してきている。
−要因−
1、商業環境の変化
− 郊外に大規模商業施設が続々とできている。
− スペースが十分でないためにショッピングを楽しめない
2、交通環境
− 道路の整備が十分でないために慢性的に渋滞が起こっている。12時間の交通量は3〜5万である。渋滞時には1マイル(1.6km)進むのに40分から1時間かかる。
− 十分な駐車スペースがない。
3、住環境の整備
− 急激に市街化が進んだため都市基盤がしっかりしていない。コミュニティー道路や防災上の問題を抱えている。また、建物は老朽化しているが密集地のため立替が用意ではない。
− 公園などの施設が少ない。
4、その他の施設
− 以前は映画館やデパートなどの施設もいくつもあったが、郊外の大規模商業施設の出現で映画館などの娯楽施設もなくなってきている。
以前は国際通り付近には4か所あった映画館も今では1か所のみ。
(那覇市ホームページ http://www.city.naha.okinawa.jp/out/seisaku/sigaiti/cs2.htm)
4、国際通りの活性化のために
商店街組合では国際通りの活性化とサービスやマナーの向上を目指して推奨店制度を導入することを決めた。これは行政機関や学識経験者、中小企業診断士で構成される委員会によって選ばれるもので、商品の品質はもちろんサービスや衛生管理などを調査され優良だと認められた店舗が推奨店としての認証を受けることができる。「推奨店」には、同委員会が認証マークを与え、当該店は玄関や店内のレジなどに張ることができ、来店者にアピールできるほか、県や市、市観光協会のHPや刊行物で広く紹介される。
(yahooニュース!より http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041219-00000007-ryu-oki)